昨今続く「プーさんブーム」は、今やディズニーランドやディズニーストアを通り越して様々な雑貨店やスーパーでも見受けられますよね。
やっぱり、実写映画「プーと大人になった僕」の影響が色濃く出ているのかもしれませんが、この物語の原点となったお話を見たいと思ったことはありませんか?
プーさんは、見ただけで名前は出てくると思うかもしれませんが、その背景のおはなしや他のキャラクターをよく知るためには、プーさんのお話の原点とも言える物語を含めた「くまのプーさん/完全保存版」を見るのが一番です!
この記事では、物語を見る時間がない・・・という方のために、見るだけで物語を把握できるようネタバレ要素を充実させた内容でまとめてみました!
実写映画を見る前に予習しておけば、より内容が頭に入りやすくなりますし、クリストファー・ロビンの変わりように感動すること間違いなしです・・・。
「くまのプーさん/完全保存版」ストーリー紹介
画像参照:ディズニー公式サイト
この作品の特徴は、本来別々に用意された3つの短編を、細かい演出や新規のシナリオを加えて1つの映画にしていることです。
この記事では、物語の区分を短編ごとに分けて紹介していますので、気になる方はサブタイトルの作品名でビデオを探してみるのも面白いですよ!
【プーさんとはちみつ】
画像参照:ディズニー公式サイト
ここのお話は、プーさんのハニーハントの内容そのものですので、物語を知らない人はまずここをしっかり読んでおきましょう!
はちみつにかける、プーさんの執念
画像参照:ディズニー公式サイト
物語の舞台は、本の中に出てくる「100エーカーの森」。
プーはこの森に住み、家には「サンダース」という前の家の主の表札をかけて、お気に入りな空間を作って暮らしています。
しかし、それよりもっとお気に入りなのは、大好物のはちみつ。
今日も軽い体操を済ませ、ミルクやチョコレートと共に棚に並ぶはちみつに手をかけますが・・・食べきっちゃってたのか中身は空っぽ。
そこで考えたのは・・・お隣の蜂の巣からハチミツを奪うもらうこと。
そこで早速気に登り始めたプーですが、彼の体重にはさすがに木の枝も悲鳴を上げてしまい、途中でポキッと折れ、そのまま茨の茂みに真っ逆さま。
それでもプーははちみつのことを諦めることができず、クリストファー・ロビンの知恵を借りることにします。
そうして生まれた次の作戦は・・・黒い雨雲作戦。
自分が泥水を被り、真っ黒になった状態で蜂の巣に近づけばどうにかなると考えたプーですが、その作戦も失敗に終わります。
うっかり蜂を口に含み、吐き出しながら蜂に応戦するも怒りを買ってしまい、ハチャメチャな追いかけっこの末に逆に蜂に追いかけられることになってしまいます。
クリストファー・ロビンさえも巻き込んだ騒動だったため、ここで反省して諦めればいいのですが・・・ことはちみつに関しては妥協しないプーさん。
ラビットの家でご馳走!だが・・・
画像参照:ディズニー公式サイト
とうとう自分で用意することさえは諦めましたが、はちみつをどうしても食べたかったプーは、とうとうラビットの家に向かってしまいます。
ラビットはプーの強行的な押し問答にいつもこてんぱんにされており、「はちみつはどうかね?」「たくさんおあがり、プー」の言葉で収束させられるのがオチでした。
必死にいないふりをしましたが、見事に術を見破られたラビットは、結局同じ言葉でプーにはちみつを明け渡すことになってしまいます。
最初は「ほんのちょっと」と言っていたプーですが、そんな小さな分量では満足できず、とうとうラビットの家中のはちみつを食い荒らしてしまいます。
やっと満足したプーですが・・・勝手口を通り抜けることができないほどお腹が大きくなってしまい、はまって動けなくなってしまいます。
ラビットは急いでクリストファー・ロビンを呼びに行き、途中やってきたオウルには遠まわしに咎められ、ゴーファー(原作には出てこないキャラ)が勝手に勝手口を掘り進めたことで更に狭くなり、クリストファー・ロビンや仲間が助けに来るまでには更に出にくい状態になってしまいました。
とうとうご飯を食べず、痩せるのを待つしかなくなったプーは、時間が経つ間ずっとご飯のことだけ考えて暮らす羽目になってしまったのです。
ラビットの辛い日々の終わり
画像参照:ディズニー公式サイト
その間にも仲間たちはプーのお見舞いに来てくれます。
カンガとルーは花をプレゼントしに来たり、クリストファー・ロビンは雨の日に傘をさしてくれたり、ゴーファーは悪気は無いものの、プーにあわよくばはちみつを食べさせそうになったり・・・。
その間ずっとラビットは見張り続けなくてはならず、とうとう心身ともにボロボロになってしまいます。
そんなある日、プーのお尻を押した時に少し動いたことを感じ、発狂に近い喜びを見せたラビット。
仲間たち総出でプーを引っ張り出すことに成功しますが、その反動で別の蜂の巣に引っかかってしまったプー。
みんなが焦る中・・・ただひとり、プーだけは今まで我慢していたはちみつをお腹いっぱい食べて、今までにない幸せを感じているのでした・・・。
【プーさんと大あらし】
画像参照:ディズニー公式サイト
風向きが変わる100エーカーの森
画像参照:ディズニー公式サイト
西風と東風が入れ替わり、秋の訪れを感じるようになった100エーカーの森ですが、季節の変わり目に当たり風の強い日が続きます。
こんな日でも、プーは一人考え事をするために自分の「考える場所」へ向かいます。
考え事をしている最中にゴーファーと出会い、風の強い日であることを指摘されたプーは、なぜか森の仲間に「風の強い日おめでとう!」と言いに行くことを考えます。
最初に向かったのは、森の中で大の仲良しのピグレットの家。
ピグレットは森の中心に立つ木の家に住んでいて、代々伝わってきた看板「侵入者ウィル(正確には進入禁止)」を立てて家に暮らしていました。
こんな風の強い日でも家の周囲を掃除するピグレットですが、1枚の大きな葉っぱに押し出され、そのまま風にあおられてしまいます。
途中プーが鉢合わせマフラーを掴みますが、そのままマフラーはどんどん解けていき、紐一本でピグレットを凧あげする状態に。
プーも風にあおられてどんどん位置が動いていき、カンガとルー、イーヨー、ラビットの家を横切っていきます。
そして唐突な突風に煽られ、とうとうプーまでもが空に飛ばされてしまい、二人が飛ばされたどり着いたのはオウルの家。
オウルは窓に貼り付けられた2人を愉快そうに眺めながら窓を開け、二人を家に上げて自分の過去の話を始めてしまいます・・・これが本当に長い。
その間にもオウルの家は風にあおられ右へ左へゆらゆら揺れ続け、とうとう話をしている最中に大木の根元からポッキリと折れてしまい、オウルの家はめちゃくちゃになってしまいます。
新しい家を見つけなくてはならず、その役目を買って出たのがイーヨーは「2日ほど時間をくださ」の一言だけを残し、森を駆け巡って家を探す旅に出ます。
ある夜、ティガーとプーの出会い
画像参照:ディズニー公式サイト
ある夜、プーはいつものようにベッドに入って寝ようとしますが・・・不思議な物音が聞こえ続け、なかなか寝付けません。
それどころか、自分の質問に対して反応するように物音が聞こえ、どんどん不気味さを増していきます・・・。
恐怖心でいっぱいになったプーは、おもちゃの銃を片手に玄関へ向かいますが、扉を開けても誰もいません。
恐る恐る外へ出てみると・・・オレンジ色の塊がプーへ襲いかかってきたのです!
その塊・・・もとい生き物は飛びかかるや否や、「よう、俺ティガー!T・I・G・G・E・R、それが俺様さ」と簡略した挨拶でプーに握手を求めます。
呆然とするプーを横目に、ティガーは自己紹介を続けたり、鏡に映る自分を見て驚いたり、好きだといったはちみつを嫌いと言ってみたり・・・忙しい時間を送っていきます。
そんな中、ティガーはプーにとある情報を残します・・・それは、「はちみつを狙うズオウとヒイタチ」の存在についてです。
プーははちみつ泥棒なんかにはちみつを取られまいと、その日一日は家中を見張ることにしますが、やがて疲れていき、途中で居眠りをしてしまいます。
その夜に見た夢は、恐ろしいズオウとヒイタチが、プーのはちみつを盗もうと躍起になったり、そのはちみつでパーティを開いてる、ちょっとおかしなものばかり。
次にプーが目を覚ましたとき・・・家中は水浸しになっていて、てんてこ舞いになってしまいました。
100エーカーの森は雨で水浸し
画像参照:ディズニー公式サイト
同じ頃、100エーカーの森ではこれまでで一番の大嵐がやってきました。
長期間に渡る雨の影響で森は一面水浸しになり、仲間たちに少しずつ影響が出始めていました。
ピグレットは睡眠中に周囲が水に覆われてしまっていて、逃げる隙をなくしてしまっていました。
そこで近くにあったビンに、「助けて!ピ・ピ・ピグレット(僕)」と書いた手紙を入れ、水で埋まった100エーカーの森へ投げ込みます。
プーも家が水だらけとなってしまい、急いではちみつの壺を木の上に移動させ、自分も木の上で地面を様子見し続けていましたが・・・途中はちみつを食べようとした弾みで水の中に落ちてしまい、まるでスケ○ヨのごとく流されてしまいます・・・。
見た目が似てるって、ずっと子供の時思っていました(・∀・)
ほかの仲間たちも家が少しずつ浸水していき、クリストファー・ロビンの拠点へ次々に避難していきます。
そんな中、ルーが水辺で見つけたのは、ピグレットの投げたビンでした。
手紙を読んだクリストファー・ロビンはオウルに協力を願い、救助に行けることを伝達させますが、オウルが向かった時には既にピグレットもプーも池のど真ん中で自力では脱出不可能になっていました。
オウルは勇気を出させようと親戚話を始めますが、ピグレットの静止も聞かず続けた話の影響で2人は滝に真っ逆さまに落ちてしまいます・・・。
無事に生還したふたりを祝い、更にプーがピグレットを助けたことによる英雄を称えるパーティーも兼ねて開催することになりました、が・・・ここでピグレットに大きな試練が降りかかります。
イーヨーの勘違いとピグレットの決断
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パーティの最中、オウルの家を探していたイーヨーがみんなのもとに帰ってきました。
ようやくオウルの家を見つけたとのことで、みんなでその家を下見に行くことにしました。
しかし、衝撃的なことに、見つけたと言って立ち止まった家はなんと・・・ピグレットの家だったのです。
イーヨーは看板の綴りを読み間違え、「侵入者ウィル」を「侵入者オウル」と呼んでしまったことが原因で、元々はオウルの家ではないのか?という仮説を立ててしまったのです。
みんなはピグレットの家だと伝えようとしますが、ここまで頑張ってきてくれたイーヨーの努力を考え言いよどんでしまい、挙句ピグレットはオウルに家を明け渡してしまいます。
その姿を見かねたプーは、ピグレットに自分の家で暮らすよう説得し、ピグレットは親友の家ならとその提案に快諾します。
プーの優しさとピグレットの心の広さに感動した仲間たちは、二人を称える英雄のパーティーを開き、2人をお祝いするためにいろんなことをしました。
晴れた100エーカーの森には仲間の歌声とプーやピグレットの歓声・・・そしてゴーファーの悲鳴が響き渡るのでした。
【プーさんとティガー】
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ティガーのいたずら好きに困るプーたち
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森の仲間たちが一番頭を悩ませているのは、なによりティガーがいきなり飛びかかってくることにありました。
プーは考え事の邪魔をされ、ピグレットは掃除した庭を荒らされ、ラビットは収穫した作物がぐちゃぐちゃに・・・被害は後を立ちません。
そこでラビットは抗議集会を開き、特に乗り気でないプーと、ラビットの提案に乗りたいピグレットの3人でティガーをぎゃふんと言わせるための作戦を練ります。
その方法は・・・ズバリ、暗い森に置き去り・・・そう、O☆KI☆ZA☆RI。
探検と称してティガーをおびき出し、4人で100エーカーのはずれにある森へと向かい、ひとり突っ走るティガーをよそにそそくさと隠れてしまいます。
一度はティガーも様子を見に戻ってきますが、隠れた3人を見つけ出せず、とうとう奥へと進んでいっていまいました。
作戦は大成功!に見えたのですが、この直後、とんでもないことに気づいてしまいます・・・。
罠にはめて、罠にハマったラビット
画像参照:ディズニー公式サイト
急いで家に戻ろうとする3人ですが・・・なぜかどう歩いても元にいた地点に戻ってしまうのです。
どんなに急いで歩いても、後ろを見ながら歩いても、最終的に同じ場所に戻ってくるのを見て徐々に自信を失っていくラビット。
プーはくぼみが近くに有ることに気づき、くぼみを見つけないように歩けば家に帰れるのではないのかと考えましたが、ラビットはそれを真っ向に否定し、意固地になって森の奥に進んでしまいました。
何時間経っても帰ってこないラビットでしたが、時間が経つにつれ待ちくたびれたプーのお腹が空き始め、それと同時に家にあるはちみつが自分を呼んでる声に気づきます。
ピグレットを連れてその方向に進んでいくと、見慣れた森の入口に出てきていたのです!・・・が、それと同時にティガーも既に森に帰っていたことを知り、もともと作戦が失敗していたことを悟ります。
その頃、ラビットは森の中をさまよい続け、カエルの声やイモムシの咀嚼音に怯えてしまい、とうとう精神的にも圧迫されて崩壊寸前に。
そこにタイミングよくティガーが現れ、何事もなかったかのようにラビットを森の外まで連れ出すことにします。
ラビットは自分が罠にかけようとした相手に助けられることを情けなく思いながらも、そんなプライドはお構いなしにティガーのあとを追うのでした・・・。
このお話の後、新規エピソードとして「プーさんと雪の日」、また昨今販売されている作品にはボーナストラック「プーとイーヨーの一日」が収録されています。こちらはぜひ本編でお楽しみください。
ここを注目!「くまのプーさん/完全保存版」をもっと楽しむポイント
画像参照:ディズニー公式サイト
絵本を使った物語との連携演出に注目!
この作品の特徴として特に大きく挙げられるのは、やはり作品中に何度も用いられる「絵本」を用いた物語演出でしょうか。
動画サイトなんかではこの演出を「メタ演出」と言われ笑いを取るくらいのものなのですが、技術的にはすごくハイグレードなものなのです。
もともとくまのプーさん自体が絵本の世界で繰り広げられる物語で、度々絵本のページをめくる映像が挟まれています。
しかしそれだけではなく、ティガーが絵本から飛び出して「うっかり本から飛び出すところだったよ~」と言ったり、プーがティガーの家から吹き飛ばされたときは動きに合わせてページがめくられたりと、絵本の世界からは抜け出してないことを示唆する描写の数々が見受けられます。
大本が3つの短編をくっつけた長編なので、このような細かな演出が自然に入り込んでいるのは本当にすごいことだと思います!
ほのぼのとした物語の終わりに来る、二人の重い名言
すべての短編が終わったあと、エンディングに差し掛かるとき、プーとクリストファー・ロビンだけの小さな物語が流れます。
二人はいつものように川で遊んだりはちみつを食べたり、変わらない「いつもどおり」の日々を送っていました。
でもクリストファー・ロビンはこの時点で学校へ向かうことが決まっていて、プーたちとは離れ離れになってしまうのでした。
そこでクリストファー・ロビンはプーに、「このままずっと『なんにもしない』ってことを続けてくれる?」とお願いします。
大人になれば「何もしない」なんてことできませんよね・・・クリストファー・ロビンは、自分がプーを忘れてもそうして欲しいと願いました。
プーはよく分からずも「もちろんだよ、約束する!」と答えましたが、この本当の意味を知るのはもっと先の話・・・そしてクリストファー・ロビン自身もその言葉を思い出すきっかけになるのがもっと先になるとは思いもしていません・・・。
ここからつながるもうひとつのお話、「プーと大人になった僕」と合わせて、ぜひお楽しみください。