ダンボの隠れた才能~最高のハッピーエンド
翌朝、4匹のカラスたちは、自分たちの目の前に置かれた状況に驚きを隠せません。
後にやってきたリーダーのカラス・ジム・クロウも足だけで枝を一周するほどの驚きよう。
画像参照:ディズニー公式サイトより
とりあえずジム・クロウは、目の前で寝ている一匹のゾウとネズミをたたき起こすことにします。
起こされたティモシーは抜けきれていないお酒と二日酔いに影響されて、まだ夢気分でいます。
そんなティモシーをなんどもジム・クロウが挑発を繰り返し、とうとう眠気から覚醒したティモシーですが、自分たちのいる場所を知りどんどん青ざめていきます。
ふたりは・・・木の枝に乗り、起こされるまで悠々とそこで一日を過ごしていたのです。
画像参照:ディズニー公式サイトより
一度はカラスたちのウザさにその場を後にしようとしますが、よくよく考えれば「どうやって木に登ったのだろうか?」と気になるティモシーに、カラスたちが告げたのは「そのゾウは飛んで木に登った」という冗談。
しかし大きな耳と木の上で寝ていた事実を見る限り、ティモシーはこれ以上の証拠はないと確信し、ダンボは自分の耳で空を飛べると言い放ちます。
カラスたちは最初その考えを嘲っていましたが、ティモシーからダンボの境遇を聞かされ、考えを改めます。
ティモシーとカラスたちはダンボが上手く飛べるよう、眼鏡カラスのお尻の羽を「幸運のお守り」に見立ててダンボに渡し、見事ダンボは自分の耳で大空を飛ぶことができるようになりました!
画像参照:ディズニー公式サイトより
そしてピエロとして表舞台に立つ時・・・人間たちが設定した30mもの高さから飛び降りる時が来ました。
しかし飛び降りた直後に、風圧で魔法の羽が吹き飛ばされてしまいます!
慌ててティモシーは種明かしをし、「自分を信じて、耳をばたつかせて!」と必死に説得・・・すると、間一髪のところで飛び立つことに成功し、テントの中をぐるりと駆け巡り、これまでダンボを馬鹿にしてきた周囲をあっと驚かせました!
これを期に、ダンボに対する周りの目は大きく変わることになります。
ダンボはサーカスの中で花形のステージを飾る「俳優」になり、ティモシーはダンボの専属マネージャーとしてハリウッドと契約を交わすほどの大盛り上がりに。
画像参照:ディズニー公式サイトより
ダンボが有名になったことにより、過去が精算されたジャンボは解放され、無事にダンボと再会するというふたりの夢を叶えることができました。
協力してくれたカラスたちに別れを告げ、サーカス列車は次の街へと出発します。
ここを注目!「ダンボ」をもっと楽しむポイント
今だから必要!作品に隠された平和へのメッセージ
ダンボの作品中には、様々な「平和」へのメッセージが織り交ぜられています。
正しいことをしても、それゆえに不利な立場における現代の不条理な世界観は、ジャンボが檻に入れられたシーンからも伺えますよね。
また、テントを設営するシーンや5匹のカラスたちといった幾許かのシーンでも、黒人をあらわすキャラクターや表現が多く乗せられています。
実はこの時、ウォルト・ディズニー自身が「黒人批判の影響を色濃く受けていた」と自分でも語っているほど作品にもその色が出ていたそうなのです。
次の作品からは、自身への戒めも兼ねて差別表現を取り払うように努力するようにしたんだとか。
さらに、大人のゾウがダンボを仲間はずれにしたり、一切口をきかないように裏で約束をするなど、「いじめの問題」についても取り扱っています。
現代では耳を塞ぎたくなるようなキーワードですが、その道を歩み続けた末路がどうなるか、ダンボからも学べるかもしれませんね。
白雪姫からより改良された、動物や人物の動きに注目!
より忠実な動きにこだわったウォルトや他のイラストレーターの力により、アニメは更にリアルな動きへと進歩しました!
更に、作画量も白雪姫から増量され、絵コンテは何倍にも膨れ上がってしまったそうです・・・。
そのおかげで、動物たちは生の動物たちの動きに似た印象を見せてくれます。
もちろん、言葉を発するゾウたちやティモシー、カラスといった魅力的なキャラクターも健在です。
アニメイラストにこだわった多くのイラストレーターの方たちには、本当に頭が上がらないですよね^^;。
今では考えられない「すべてが手書き」の世界で、これだけ滑らかに動く登場人物たちの驚きを、ぜひ実際に見て感じ取ってみてください。