ディズニー作品の中でも特に芯の強さと気高さを常に持ち合わせたプリンセス・ベルが主人公の、ディズニーランド新規エリアの登場も話題となった「美女と野獣」。
2017年4月に実写映画が公開され、現在はMovieNex含むメディア展開がなされ、いつでもどこでも映画を楽しむことができますね。
前述のランド進出に伴い、ディズニーランドホテルの「美女と野獣ルーム」も特に脚光を浴びることとなり、お城でベルが暮らすこととなった部屋を再現したこの素敵な空間は、今でも予約がやや困難な状況なのです。
ところで、「美女と野獣」映画の実写化、まだ見てないけど見ようかどうしようか・・・そう迷っている人もいるのではないでしょうか?
実写化の大きな問題が、やはりアニメ作品との比較や、英語と日本語の吹替の差などがよく取り上げられますが、どちらにせよ大衆の意見を求めたくなるものです。
そこで今回は、過去に実写化された「シンデレラ」「マレフィセント」「アリス・イン・ワンダーランド」などの実写映画などと比較しつつ、筆者独断の「美女と野獣」の評価・感想をまとめていきたいと思います。
参考になるかどうかはわかりませんが・・・まだ見たことがない方は、是非この記事をご覧になって見るかどうかを決めてみるのもいいかもしれません^^;。
筆者が語る!「美女と野獣」全体を通して感じたこと
画像参照:ディズニー公式サイトより
まずは、映画を一通り見ての感想をまとめていきたいと思います。
大きく3つに分けると、「リアルさ」「細かい描写」「心情の変化」といった分野で、美女と野獣は秀でた演出がなされていたと思います。
アニメファンを裏切らない作りになったおすすめのポイントを紹介していきます。
よりリアルな映像で増し加わる感動
画像参照:ディズニー公式サイトより
とにかくディズニーの実写化がすごいのは、「アニメーション作品の世界観を壊さず、その感動を最大限にリアルへ近づける」ことですね。
アニメーションも素敵なのですが、お城や自然の風景などが実写化でリアルになり、良い意味で「等身大のプリンセス」へ近づいたなぁと感じました。
特に今作の主人公であるベルの美しさと気品の良さ、悪役ガストンの品性のない性格、野獣の心の移り変わりに対する背景の差・・・などなど、実写によって人物像がより立体的に感じられました。
野獣の住んでいた「お城」も、見たことがないくらい立派で・・・そしてすごく怖く、恐怖心を煽られます。
美女と野獣の実写版の評価は、人物や風景の「存在感」から生まれるものなのではないかな?と思います。
丁寧で細やかな登場人物の描写
ディズニーの実写化に伴う作品では、必ず各キャラクターの行動に伴う心情描写が追加されています。
「シンデレラ」では、継母のシンデレラに対する嫉妬心がどこから来るのか、どうしてシンデレラに辛く当たるのかが描かれ、「ただの悪役」というわけではないことがわかりました。
「マレフィセント」でも、同名作の主人公・マレフィセントがオーロラに呪いをかけた理由がきちんとあったことが示され、アニメのモヤモヤ感がフワッと消え去る気持ちの良い作品でしたよね。
今作でも、野獣がどうして野獣になったのか・・・これはアニメの冒頭で描かれていますが、その点がより細かく描写され、「美女と野獣/ベルの素敵なプレゼント」との正式なつながりを感じる演出もされています。
また、ベルの父親の頼れるシーンや、ガストンが街中で頼られる真意もしっかり描かれているので、アニメだけではわかりにくかった細かい描写を見ることでスッキリすると思いますよ(´∀`)。
鮮明に映し出される、野獣の心とお城の暗さ
画像参照:ディズニー公式サイトより
アニメーションでは素敵な装飾と華やかなお城が印象的ですが、実写版では野獣の心を表す象徴のひとつとして取り上げられているので基本的に映像が暗くてコワイです。
シンデレラ実写版では、お城の舞踏会の華やかさはもちろん、シンデレラの育った生家も絵本に出てくるようなヨーロッパ風の家で、映像美が醍醐味でした。
アリス・イン・ワンダーランドやマレフィセントでも、物語の移り変わりとともに色彩に富んだ様々な風景を楽しめました。
その点、美女と野獣は映画の内容までもが「暗いお城に閉じ込められっぱなし」という印象を受け、華やかな映像が好きな方にはちょっと向いていないかもしれませんね。
その分、音楽と物語の力で描いた、ベルと野獣の「真実の愛」の物語を楽しみたい!という方なら、映像の移り変わりで描かれる登場人物の心情が楽しめるのでおすすめさせていただきたいです(^ω^)。
【美女と野獣・実写版】出演キャストの評価は!?
続いては、各キャラクターを演じたキャストについての感想を紹介していきます。
アニメ作品でもそうですが、各作品ごとの印象に合わせたうまいキャスティングがディズニー実写の売りですよね。
今作では特にハリーポッターシリーズで脚光を浴びたエマ・ワトソンさんがいるわけですし、より重要度が高まります。
主人公ベル(昆夏美 / エマ・ワトソン)
画像参照:ディズニー公式サイトより
ベルのやわらかい雰囲気、本好きの聡明さ、次第に野獣に心を開いていく勇気を合わせ持つ、気品ある女性を演じてくれています。
この映画では、ろうそく台、時計、カップとポットと言った「モノ」が名脇役となっています。
そんな「モノ」に対しても人と同じように接するベルの人柄が、この映画の魅力において大きな柱となっています。
野獣(山崎育三郎 / ダン・スティーヴンス)
画像参照:ディズニー公式サイトより
ほどよく怖く、ほどよい感じで醜くなっていて、美女と野獣の世界観にとてもマッチしていた野獣でした。
最初の頃は心を閉ざして自信をなくしていた野獣ですが、ベルが大好きな「大量の価値ある本」を持っていたことで、自信と誇りを取り戻していった過程が丁寧に描かれていました。
この物語で一番自分の内面を変化させていけたのは、野獣だったに違いありません(全ディズニー映画を通して、かもです)
そして魔法が解けたあとの王子は、超イケメンです♪
ガストン(吉原光夫 / ルーク・エヴァンズ)
画像参照:ディズニー公式サイトより
悪役、卑怯者役のガストン。もてっぷりから、少しは魅力、いい所もあるのかなと思いながら見ていましたが、最後の場面で野獣を攻撃した場面では、心底の悪役ぶりを発揮しました。
最近のディズニー映画の悪役は、アナ雪の「ハンス王子」ですが、あちらは知恵の悪役、こちらは力づくの悪役という感じです。
お付きの人?(ル・フウ)がやたら良い人に見えるくらいの悪っぷりガストン、芯から怖くて、好演技でした。
モーリス(村井國夫 / ケヴィン・クライン)
画像参照:ディズニー公式サイトより
ベルのお父さん。お母さんが亡くなってるので、ベルと父親の愛情の深さが、この映画に温かみと深みを与えていました。
決して豊かではない生活でしたが、お父さんと一緒にいられて幸せだったベル。
ベルの父は、実写版で見れて好印象だった登場人物の一人です。
ルミエール(成河 / ユアン・マクレガー)
画像参照:ディズニー公式サイトより
先日終演した「テーブル・イズ・ウェイティング」(ディズニーシー)の印象が強すぎるルミエール。
ネタバレですが、小っちゃくて黄金で、もうビックリしました。
本物の炎が灯されていたのも、実写版ならではでした。
ポット夫人(岩崎宏美 / エマ・トンプソン)
画像参照:ディズニー公式サイトより
ディズニーランドの夜のキャッスルショー「ワンス・アポン・ア・タイム」で大活躍しているポット夫人。
バラの花びらが落ちるたび暗い気持ちになるみんなを、余裕の温かみで包み込んでくれていて、なごみました。
「美女と野獣」実写化では、ポット夫人をはじめ「モノ」たちの描き方が光ってました。
チップ(池田優斗 / ネイサン・マック)
画像参照:ディズニー公式サイトより
ちょこまか動くチップが可愛い!
これだけでも、「美女と野獣」実写化を見に行く価値があります。
小さい体で健気に頑張るチップに、励まされること必須です。
映画が全体的に「暗い」分、ポット夫人・チップ達のラストシーンは感動的でしたよ。
【美女と野獣・実写版】歌の感想、評価は!?【キャスト】
画像参照:ディズニー公式サイトより
「きのこ・たけのこ戦争」と同じくらい、常に白熱した展開を見せるのが各作品ごとの「映画の吹替・字幕戦争」。
筆者は英語がからっきしで、字幕があるものの物語を理解するためにも、はじめに「吹替版」を見ました。
その後「字幕版」を見ましたが、やはりミュージカルシーンになると言語版の言葉の響きや音のハマり方を考えると字幕版の方が良い気もしました。
もちろん日本語吹き替えによるキャストの歌や演技はどれも自然で良かったのですが・・・映画の美しい世界に日本語が入ると、どうしても現実世界に引き戻される感じがしたんですよ。
ディズニー映画の魅力は、登場人物、物語、作品背景などいろいろありますが、ときどきタップリ歌われる「歌」も大きな魅力なんです。
とりわけ映像が暗くなりがちな「美女と野獣」実写版では、歌や音楽の美しさによる反射光のような輝きが強く、これを最大限に感じるにはやはり英語の歌詞と歌声を楽しむしかないのかもしれません。