CGの進化が止まらないウォルト・ディズニー・アニメーション。
ピクサーが吸収合併されて以降、その美しい映像に誰もが息を呑み、そして新たなヒロインを生み出し続けてきました。
今回ご紹介する「モアナと伝説の海」でも、健気な16歳の少女・モアナがディズニープリンセスの1人として誕生しました。
太くきりりとした眉(まゆ)と大きな黒い瞳、天然ヘアーが印象的な主人公「モアナ」の心の成長と登場人物との触れ合いが描かれた、神秘的な冒険物語になっています。
特に南国の青い空と透き通った海や豊かな自然など、この映画に出てくる背景の美しさに見惚れた・・・そんな感想を抱いた方も多いのではないでしょうか?。
今回は、「モアナと伝説の海」のストーリーや作品の見所などを、わかりやすく「完全ネタバレ」でまとめました。
これからご覧になるあなたも、まだ見たことがない!というあなたも、ぜひこの記事で予習していってください♪
【モアナと伝説の海】ストーリー紹介
画像参照:YouTube「公式ミュージックビデオ」より
まずは、この作品のストーリーを簡単に説明していきます。
ネタバレ要素が多く含まれていますので、閲覧にはご注意ください。
モトゥヌイ島に産まれた「モアナ」
画像参照:YouTube「公式トレイラー」より
物語の舞台は、女神に愛されし大地の神話が紡がれる島「モトゥヌイ島」です。
この島で産まれた「モアナ」は、小さい頃から「タラおばあちゃん」に言い聞かされてきた海の伝説が大好きでした。
「女神テ・フィティ」の『心』は、大地すべてを創りだす力を持っていた。ところが、半神マウイによって『心』が奪われ、その直後に溶岩をまとった巨大な悪魔「テ・カァ」の襲撃により、『心』が海の底へ沈んでしまう。
それにより大地は闇で満たされ、生きとし生ける物の活力が失われ、やがて全ての生命が途絶えてしまう。しかし、闇が覆い尽くす前に「海に選ばれし者」が心を女神に返し、すべてを元の姿に戻すというお告げがある。
世界は待っている。闇を払う「海に選ばれし者」の到来を。
幼い頃から伝説を聞かされていたモアナは、珊瑚の向こうに広がる世界に興味津々。
時同じく、モアナの前に打ち寄せた「波」が、モアナに緑の石をプレゼントします。
しかしそれも幼い時の物語、成長するにつれ村長の娘としての自覚も芽生え、好奇心はあっても海の伝説や波のプレゼントのことを徐々に忘れ去ってしまいます。
海の異変、「海に選ばれし者」の到来
画像参照:YouTube「公式トレイラー」より
ある時を境に、島の周辺から魚が消え、作物も実らなくなっていきます。
これを期にモアナは、珊瑚の向こう側へ渡り漁をすることを提案しますが、村長である父親「トゥイ」にきつく反対されます。
一度はそれに反抗しひとりで漁の船を使い珊瑚の向こうへ渡りますが、海嵐に為すすべもなく命からがらの帰還をすることに。
そんな様子を見たタラおばあちゃんは、モアナやその家族の祖先が海をわたって、次々に島を開拓していった歴史を説明していきます。
タラおばあちゃんは続けて、昔モアナが波からプレゼントを授かる光景を目の当たりにしていたこと、さらにそのプレゼントこそが女神テ・フィティの『心』であるという衝撃的な事実を言い渡します。
その直後にタラおばあちゃんは病気に倒れますが、それでも「行きなさい!」という強い言葉を遺しモアナを見送り、息を引き取ります。
こうしてモアナは危険を覚悟で珊瑚の外へ旅立ちますが、やはり大きな波に為すすべもなく、とうとう飲み込まれ無人島に流されてしまうのです・・・。
半神「マウイ」との出会い、共闘宣言
画像参照:YouTube「公式トレイラー」より
漂流した無人島には、なんと『心』を盗んだ張本人「マウイ」が幽閉されていました。
彼自身は『心』を盗む以前、人間に感謝されるほどのことをたくさんしたと主張。
太陽を昇らせる、島を引き揚げる、火を人間に与えるなどの役目を果たしていたため、『心』をなくしたことを少しも反省していない様子。
おまけに、幽閉状態からの解放を求め、モアナを洞窟に閉じ込めて脱出を図ります。
しかし、「波」とモアナが協力することで洞窟から抜け出し、追いついたマウイを説得し、最終的には共闘宣戦までにこぎつけます。
ただし、マウイから条件をつけられます。
それは、自身がテ・カァから逃げる際になくした、どんなものにでも変身することのできる「神の釣り針」を一緒に探すことでした。
タマトアとの対峙、マウイの過去
画像参照:YouTube「公式トレイラー」より
神の釣り針を持っているのは、大きなハサミを持った巨大なヤシガニの「タマトア」、まずは彼の待つ珊瑚に向かいます。
タマトアの元へ向う途中、テ・フィティの心を狙うココナッツの「海賊カカモラ一団」が襲撃を仕掛けてきます。
彼らは心の力よりも、そのものの価値に目をつけており、金品になるものを全て奪いつくすまで襲うのをやめません。
なんとかマウイの帆捌きとモアナの機転により撃退し、タマトアの元へ辿り着いた二人。
いよいよマウイは、自身がなくしていた神の釣り針を取り返しますが、うまく変身することができず、隙を突かれてタマトアに捕まってしまいます。
モアナは光る苔を塗った石を囮にすることで助け出し、そのまま間欠泉を利用して逃げ出し、奪取と脱出、二つの目的を達成します。
脱出した後、神の釣り針で変身できなかったマウイは、モアナに自身の過去を語ります。
マウイは元々島に捨てられた子で、それを見つけた神に釣り針を与えられたことで半神としての役目が果たせるようになり、人間を助けることで「自分の存在価値の証明」を探し続けていたんだそうです。
余談ですが、この部分の描写を見る限り、釣り針を与えたのは「女神テ・フィティ」とは別の存在だったらしいですね。
さてさて、釣り針が使えなくなったマウイは自分の価値がなくなってしまうことを恐れましたが、そんな姿を見たモアナは、海に釣り針を使える存在として選ばれた事実と、マウイ自身の自己犠牲から感謝が生まれたのだとマウイを励まします。
彼女を信用したマウイは感謝を伝え、彼女に航海術を教えながらもマウイは変身の特訓を始めます。
作戦の失敗、モアナの決意
画像参照:YouTube「公式トレイラー」より
いよいよテフィティの鎮座の近くへやって来た2人ですが、そこにはあの恐ろしい溶岩の悪魔、「テ・カァ」が待ち構えていました。
いよいよ相手にする時が来たのですが、モアナの下した作戦は呆気なく失敗、マウイが変身する際に使った釣り針にヒビが入ってしまい、一時退散を余儀なくされます。
マウイは釣り針が壊れることで自分への感謝が永遠に失われることを恐れ、モアナは自信に満ち溢れていた自分を恥ずかしく思い、失意に至ります。
とうとう海にテ・フィティの『心』を沈め、島に帰ろうとしますが、そこへ大きなエイに生まれ変わったタラおばあちゃんが駆けつけ、モアナを優しく叱責します。
勇気と自信を取り戻したモアナは再びテ・フィティの『心』を返すことを決意し、再び海を越え単身テ・カァに立ち向かいます。
海に入れないという弱点と、マウイに教わった航海術を駆使しながら、立ちはだかるテ・カァをかいくぐり、テ・フィティの鎮座を目指します。
途中、釣り針を犠牲にしながらもテ・カァの追撃からモアナを助けるためにマウイも参戦、とうとう釣り針は根元から折れてしまいますが、気にせず鎮座を目指します。
「テ・カァ」の正体、そしてラストへ・・・
画像参照:YouTube「公式トレイラー」より
ついにモアナはテ・フィティの元へたどり着きますが、その島は環礁のようになっており、テ・フィティが鎮座するはずの場所には海が広がるのみ。
そこでモアナは、「テ・カァ」こそが『心』をなくしたテ・フィティの怒り猛っている姿だと気づきます。
モアナは彼女に自分を見つめ直すよう説き、テ・カァの胸に『心』をはめ込むと・・・テ・フィティの姿に戻り、世界に緑と平穏な大地も戻っていきます。
マウイはテ・フィティに『心』を盗んだことを謝罪すると、新たな神の釣り針を授かり、これまでどおり力を使うことができるようになります。
その後モアナは、マウイに「優れた航海士が必要だ」という名目で村へ招待しますが、マウイはそれを断り、戦友同士別れを告げ、モアナはモトゥヌイ島への帰路を進めます。
家族や村人との再会を果たしたモアナは村長の跡を継ぐことを断り、教わった航海術で先祖がしてきたように海を渡り島を開拓していくことを決意したのでした。
【モアナと伝説の海】ここは絶対見て欲しい!作品おすすめポイント
画像参照:YouTube「公式トレイラー」より
モアナの見た目の可愛さよりも、「心の強さ」を描いた作品
モアナもマウイ、作品に登場するW主人公ですが、どちらもすこぶる強いです。
素の状態での戦闘力だけ言えば、「塔の上のラプンツェル」の主人公・ラプンツェルに匹敵するのではないか?と思いますが、モアナは普通の人間で魔法は一切使えません。
それでも、人外な存在と幾度となくバトルを繰り広げ、最後には見事目標を達成することができました。
そこからこの作品には、モアナの人間としての勇気や勇敢さ、失意に至っても忘れてはいけない大切な想いを持ち続けて欲しいという強いメッセージが込められていると感じました。
状況は違うかもしれませんが、現代の多くの社会人は特に、日頃のちょっとしたミスや間違いで凹んでしまい、自分の価値を見失ってしまうこともあるかもしれません。
この映画を見れば、本当の自分の価値とはなんなのか、困難に直面しても逃げてはいけない真の意味について、きっと多くのことが学べると思います。
昨今では珍しい?2人の関係性に注目
プリンセスストーリーというと、「シンデレラ」「眠れる森の美女」、昨今では「アナと雪の女王」「魔法にかけられて」などのプリンセス役とプリンス役が恋に落ちる展開が多く見られました。
特に「魔法にかけられて」以降、強い意志を持ったプリンセスが多く誕生し、世界中の女性がその生き様に共感しました。
しかし今回は、島の村長の娘という珍しい立場から生まれたプリンセスが主人公でした。
さらに、一緒に旅をするマウイとはあくまで戦友、最終的にマウイはひとりで生きることを選び、別れてしまいました。
やっぱりこの展開を見た筆者は「( ^ω^)おっ、やっぱり二人はくっつくんだろうな( ^ω^)」と感じていたので、最後の展開を見て「寂しい・・・」というより、
・・・( °д°)・・・(;°Д°)?!
こんな表情を映画館でしてしまい、隣のお客さんに泣き笑いされました・・・。
とまぁ自分はこんな感じでしたが、やはり身内や友達も最初は二人が恋に落ちると想像していたそうです。
今作は神話系のストーリーだったこともあり難しい展開もありましたが、ちゃんとまとめたディズニーらしいストーリーになったので、あまり恋愛要素がなくても納得できる内容でした。
また、「強い女性」を体現するモアナのキャラ設定からして、恋愛要素を無理に突っ込むのも無粋な気もしますね・・・もしかしたら、製作者もそのことを感じたのかもしれません。